
高砂香料グループのグリーン戦略と生物多様性への取り組みを紹介します。

研究開発
人と環境にやさしい技術・製品の開発
・再生可能原料、未利用資源を活用した香料素材の開発
・フロー技術や触媒を応用展開した安全でエネルギー効率の良いプロセスの開発

調達
グリーン調達(持続可能な調達活動)の促進
・持続可能な方法で行う調達活動の促進(生物多様性の保護等につながる)
・サプライヤーと環境的、社会的価値観を共有

生産
グリーン生産の促進
・省エネ活動と設備更新
・3Rの推進

物流
グリーン物流の促進
・環境を意識した物流パートナーとの協働
・効率的な輸配送の推進

人事総務
グリーン購入(環境負荷低減に資する製品・サービスの調達)の強化
・グループ全体で文房具等の購入の際、グリーン購入を促進する

情報システム
グリーンITの推進
・環境を意識したベンダーとの協働
・環境負荷の少ないIT機器購入の推進

EHS・コーポレート
気候変動、環境負荷低減への対応
・TCFD開示情報に沿った対応(リスクと機会の分析・開示、SBTi目標に沿った基本戦略の立案、データ収集等)
・水、生物多様性等への配慮を通じた環境負荷低減対応
生物多様性への取り組み
香料産業は、生物多様性がもたらす様々な恵みを受けながら発展してきました。高砂香料グループでは、世界中から数百種類以上の天然香料を調達しており、これらの多様な天然資源は、フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ製品の製造に使用されています。生物多様性が高砂の多様な製品ポートフォリオを支えており、様々な香りを表現することにつながります。地球環境に配慮し、世界の人から共感を得られるグローバル企業として、私たちの事業活動が、生態系サービスに依存し、また影響を与えている事実を深く認識し、持続可能な社会の実現に向けて、生物多様性の保全に取組んでいきます。
方針
私たちは、生物多様性指針を策定しています。この指針に基づき、生物多様性に関する様々な施策を推進しています。
【高砂グループ生物多様性指針】 1.事業活動が生物多様性に及ぼす影響を、企業の存続に関する課題として捉え、保全に配慮した経営に取り組む。 2.原材料の調達において、生態系や生物多様性の保全と、持続可能な利用をめざし、継続的な改善に努める。 3.生態系や生物多様性の保全に寄与する技術、製品、工程の開発や改良に努める。 4.社内外のステークホルダーと連携し、生物多様性の保全に努める。 |

当社グループは、2024年に経団連生物多様性宣言イニシアチブに参画しました。また、グローバルに支持されている生物多様性に関するフレームワークであるTNFD※を参考に、我々のバリューチェーンがどのように自然資本を利用しているかを把握し、生物多様性に関するリスク・脅威、また機会について評価、対策を立案しています。
※Taskforce on Nature-related Financial Disclosures企業・団体が自身の経済活動による自然環境や生物多様性への影響を評価し、情報開示する枠組みの構築を目指す、自然関連財務情報開示タスクフォース
ガバナンス
生物多様性ガイドラインに基づき、高砂香料グループは、サステナビリティ担当取締役のもと、生物多様性関連の目標設定、生物多様性リスク評価の実施、緩和策の適用および生物多様性に関するステークホルダーとの対話を、取り組みの基本方針としています。また、生物多様性を含む地域周辺での事業活動を回避することについて、バリューチェーン全体が求められる責務としてとらえ、経営指針としています。
リスク評価
グローバルに支持されている生物多様性に関するフレームワークであるTNFD※を参考に、LEAPアプローチや地域環境別のアプローチを用いて、私たちがどのように自然資本を利用しているかを把握し、生物多様性に関するリスク、依存度、インパクトについて評価し、対策を立案しています。これらは、全社的なリスク管理プロセスに統合されています。重大な環境リスクは、取締役や執行役員で構成されるリスク管理委員会にて、議論されます。
※Taskforce on Nature-related Financial Disclosures企業・団体が自身の経済活動による自然環境や生物多様性への影響を評価し、情報開示する枠組みの構築を目指す、自然関連財務情報開示タスクフォース
特に、天然原料の損失・入手可能性の減少は、事業の特性上依存度が高く、最大の自然関連リスクとして認識しています。我々は、事業を通じて生物多様性を育み、保護することに貢献すべく、様々な対策を行っています。尚、リスク評価の対象は、直接操業拠点だけでなく、隣接する地域およびバリューチェーン全体(上流活動・下流活動)に及びます。
主な特定された自然関連リスク
上流活動 サプライチェーン | ・天然原料の喪失/入手可能性の低下 ・天然原料価格の上昇 |
直接操業 | ・利用可能な水資源の減少 ・生態系劣化に伴う深刻な災害による操業停止 ・規制強化による事業への影響 |
下流活動 消費者、市場、地域社会 | ・サステナビリティ志向に伴う市場変化 ・企業ブランドの棄損 |
主な施策
昨今深刻化が進んでいる生物多様性の損失は、天然原料の損失・入手可能性の減少、伴って天然原料の価格高騰というリスク・脅威を包含しており、私たちも最大のリスクとして認識しています。今後、我々は、事業を通じて生物多様性を育み、保護することに貢献すべく、様々な対策を行っています。2024年の進捗として、高砂香料グループでは、カルタヘナ法に基づいた、遺伝子組換え実験等安全委員会が発足しました。法令及び社内基準への適合性並びに科学的観点からその安全性について審議し、適正な研究活動を行っていきます。
主な施策 排水・廃棄物の徹底した管理
地域コミュニティでの自然保護活動の参画
サプライチェーン上流の統合活動(TaSuKIプログラム)
森林破壊ゼロへのコミットメント
認証品の活用(パーム誘導体原料におけるRSPO認証の活用)
遺伝子資源の適切な利用・名古屋議定書への対応
生物多様性に関する機会
一方、施策を通じて、様々な機会を享受すると考えており、事業戦略と統合しています。自然資源への依存と影響を軽減し、消費者の環境への意識・嗜好変化による市場でも売上を拡大するため、低環境負荷製品の開発に注力しています。またRSPO認証をはじめとする認証品の活用も推進します。現在、高砂香料グループでは、RSPOサプライチェーン認証の1つである、Mass Balance認証を取得した工場が世界に4拠点あり、更に認証取得を推進していく予定です。
以上の取り組みを通じて、高砂香料グループは、生物多様性に対するネット・ポジティブ・インパクト(NPI)の達成に対する貢献をお約束いたします。