高砂香料は1920年に日本のアロマケミカル(合成香料)の国産化をめざして発足しました。当時のアロマケミカルの製法は植物精油から得られた成分の酸化、還元反応、エステル化など簡単な有機合成反応でありました。高砂香料の有機合成技術はアロマケミカルのパイオニアとして数々の合成法を開発し格段の進歩を遂げ、1983年に世界で初めて不斉合成技術による l -メントールの工業化に成功しました。
以来、独自の不斉合成をキーテクノロジーとした革新的なアロマイングリディエンツの開発を続けてきました。その技術は香料分野のみならずファインケミカルの広い分野に応用され、高い技術を要求される医薬品中間体やエレクトロニクス産業を支える新しい機能性材料に及んでいます。
高砂香料の配位子および触媒はこれら精密有機合成に用いられると共に、効率の良いプロセスを可能としてサステナビリティにも貢献しています。