分析する
香りは目に見えないもの、形のないものですが、香りを創るには、その香りがどのような成分から構成されているかを知ることが重要です。
揮発成分の構成成分を知るためさまざまな機器を駆使して成分分析を行っています。不揮発成分についても構造や量の確認を行っています。
製品の品質に関する測定も行っています。
天然物
生きた花の成分、食品中のフレーバー成分、異臭物質の探索、香りの経時変化など、揮発成分として存在する香りを分析します。
知られていない新しい成分であれば化学構造を決定します。
同時に、自然にあるがままの香り分子を捕集し分析するための技術(AROMASCOPE®法)を開発し香りを創る活用に取り組んでいます。
開発品
分析化学によって得られた天然物の分析データは、クリエーションに用いるアロマイングリディエンツの合成やスペシャリティの開発に活かされています。
アロマイングリディエンツ品やファインケミカル品の開発中の確認の分析も行っています。
賦香されたフレグランスや食品から揮発した香り成分の割合も分析されて開発に活かされています。
製品
製品候補品について理化学試験、微生物試験等を実施して、製品についての品質の管理や品質保証に資する製品仕様を策定するための分析を行っています。
製造に用いられる原料の純正さの確認、あるいは原料を選定するための成分確認分析も実施しています。
測定と解析の技術
揮発成分の分析にはガスクロマトグラフ装置(GC)を主に用います。触媒、冷感剤等の不揮発成分では液体クロマトグラフ装置(LC)も用いられます。
必要な場合、構造情報が得られる装置で測定をします。においの分析含め光学活性の情報も必要です。得られたデータを解析して、成分組成や構造の決定をします。
物質の分析
新しい香りの開発や他部署の支援のため化学構造が決定できる能力が必要です。
化学構造情報について、高分解能質量分析計、核磁気共鳴スペクトル装置、単結晶X線回折装置等多様な機器を運用しています。
近年「結晶スポンジ法」と呼ばれる単結晶化が不要なX線回折手法に取組み微量の新規化合物や光学活性の決定に用いています。
においの分析
GCを中核技術として、さまざまな形態の試料の導入法とヒトの鼻を含む検出法により成分分析を行っています。
多くの装置、GC汎用検出、GC-匂い嗅ぎ、GC/質量分析法(GC/MS)、固相マイクロ抽出(SPME)-GC/MS、ヘッドスペースGC/MS、GCxGC/MS、キラル分離GC等、を目的に応じて使い分けて分析します。
管理のための分析
分析技術部門ではISO/IEC17025の認定を取得しています。製品や原料の品質管理・品質保証に関する理化学試験、微生物試験を実施し、お客様からの要望、品質保証を確実に実施しています。
グローバルで品質を一定にするため、日本が核となり分析技術、品質保証技術の統一とさらなる技術の向上に取り組んでいます。