2010年度「野依賞」はエリック・N・ジェイコブセン教授に
高砂香料工業株式会社が後援する 「野依賞」の2010年度受賞者が、米ハーバード大学化学科のEric N. Jacobsen教授に決定しました。
本賞は、野依良治教授の2001年度ノーベル化学賞受賞と有機合成化学協会(SSOCJ)創立60周年を記念し、SSOCJが2002年に制定したもので 、年齢、国籍を問わず、広い意味での不斉合成化学の分野における顕著な業績を顕彰することを目的としています。毎年、この基準を満たした受賞者に、賞状、メダル、賞金10,000ドルが贈られます。
Jacobsen教授は不斉触媒反応の分野で多くの重要な貢献を果たしてきました。教授は単純オレフィンの不斉エポキシ化におけるキラルなサレン錯体の触媒利用を発見したほか、アジリジン化、ディールス・アルダー反応、共役付加反応、ヒドロシア ノ化、ならびにエポキシドの開環反応のための効果的な触媒をあらたに発見しました。教授はまた、不斉合成における水素結合触媒利用のパイオニアでもあります。Jacobsen教授が発見・開発したこれらの方法論と理論的洞察は、学界と産業界の双方において重大な影響を与えてきました。
授賞式は、来年2月に開催される有機合成化学協会(SSOCJ)の通常総会で行われる予定です。