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水野本部長

 

取締役常務執行役員 調達本部長 兼 
サプライチェーン本部長  水野 直樹

 

今日のSCM 5.0時代が求めるマネジメントには、そのリスク環境下においてはレジリエンス(強靱性)の獲得、そしてESG経営の観点からのサステナビリティの実現が不可欠です。そのためにはサプライチェーンネットワークの可視化、再評価、再デザインを通じて、迅速かつ変幻自在に対処可能な体制の再構築を行うなど、新たな能力や基盤を備える必要があります。営業、研究、調達、購買、生産、物流のエンジニアリングチェーンおよびサプライチェーンにおけるグローバル社内ネットワーク体制を強化するとともに、お客様やお取引先様との新たな関係性の構築や互恵的連携を強化することで、高砂香料ならではの新時代にふさわしい、ダイナミックでサステナブルなサプライチェーンマネジメントを実行します。

基本的な考え方

高砂香料グループは、事業活動において持続可能性を最重要と考えています。各事業で用いる原材料は、お客様および社会の期待とニーズに応えるとともに、持続可能な方法によって調達されることが必要不可欠です。高砂香料グループは、世界中の1,000社以上のサプライヤーから調達した約12,000種類の原材料を製品製造に使用しています。これらの原材料のうち約4,000種類は、果実、野菜、樹木、根、葉、花などの天然素材に由来する天然原料です。その他の約8,000種類は高度な化学技術により得られる合成香料であり、天然ガスやナフサから得られるものや、松のような天然素材から得られるものもあります。合成香料は自然には存在しないユニークな香気プロファイルを提供するだけでなく、ムスクやアンバーグリスのような貴重な動物由来の香料への代替品にもなり得ます。これらの高品質な原材料を適切な価格で世界各地の拠点にタイムリーに供給するために、グローバル調達チームは世界的なネットワークを通じてコミュニケーションを図り、調達活動を強化しています。


2017年6月、高砂香料グループは国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、人権、労働、環境、腐敗防止の分野で国連グローバル・コンパクトの10原則に沿った取り組みを継続しています。また、各国の法令遵守、人権の尊重、環境保全、公正な事業慣行、地域社会への関与と発展にも重点を置きながら、持続可能な調達の実現に可能な限り努めています。世界中のお取引先様と公正で信頼できる関係を築き、責任ある調達を実現するために「コーポレート調達ポリシー」「コーポレート調達ガイドライン」「高砂香料グループ サプライヤー行動規範」「高砂香料 責任ある調達ポリシー」を定めています。

 

コーポレート調達ポリシー

高砂香料グループは、持続可能な経済成長と社会問題の解決のために、原材料の調達だけでなく、事業に必要なあらゆる物やサービスの調達において、「責任ある調達」を実現してまいります。その責任ある調達の基準を「コーポレート調達ポリシー」に記しております。

コーポレート調達ガイドライン

「コーポレート調達ガイドライン」は、「コーポレート調達ポリシー」を実際の行動に当てはめたものです。当ガイドラインには、責任ある調達の概念に合わせて、コンプライアンス、公正取引、腐敗防止、人権、環境保護などの基本的な主題が含まれています。私たちは、持続可能性の重要性の高まりなど、変化する世界的な動向に合わせてガイドラインを定期的に見直し、更新しています。


「コーポレート調達ガイドライン」の実施を確実にするために、国際調達トレーニングには、当ガイドラインおよび高砂香料グループの基本的なポリシーに関するセッションが含まれています。

サプライヤー行動規範/責任ある調達ポリシー

高砂香料グループは社会から高いレベルの信頼を維持できるよう、環境的社会的責任を重視するお取引先様を尊重し、優先しております。「コーポレート調達ポリシー」に基づいた「責任ある調達」の実現への取り組みと価値観をお取引先様にも共有したく、事業に必要な全ての原材料、容器包材、サービスを対象とした「高砂香料グループサプライヤー行動規範(2021年改訂)」にご理解をいただいております。また、このコンセプトは主に原材料を対象とした責任ある調達に対する私たちのビジョン、目的、コミットメントを記した「高砂香料 責任ある調達ポリシー」にも反映されております。「高砂香料 責任ある調達ポリシー」は、ECOCERT expert consultingにより、ISO26000およびSMETA(Sedexメンバーの倫理的監査)の原則といった、グローバルスタンダードに準拠していることが確認および承認されています。この方針や考え方をお取引先様にもご理解いただくため、2021年より本ポリシーをお取引先様と共有し、
責任ある調達活動を促進しております。


※ SMETA:社会・環境に関するベストプラクティスを集約し作られたSedexによる社会監査基準

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Policy

 

「高砂香料グループサプライヤー行動規範」の全文はこちらをご覧ください

「高砂香料 責任ある調達ポリシー」の全文はこちらをご覧ください

調達活動 推進体制

当社では、先ず「企業理念」ならびにVision 2040に即して「コーポレート調達ポリシー」を定め、調達活動に関する基本的な考え方や方針を明確にしています。その上で、日々の業務がこの「コーポレート調達ポリシー」に沿って適切に遂行されるように「コーポレート調達ガイドライン」を整備しています。さらに、調達活動を人権、労働、安全衛生や環境にも配慮して持続可能に推進すべく、ISO26000やSMETAに準拠し、またSDGsへの貢献も意識して、「高砂香料責任ある調達ポリシー」を制定しました。これらのポリシー類は、サステナビリティ推進会議、事業部門、その他関連部門、および海外関連会社とのコミュニケーションにより、周知徹底されています。


「チームワーク(和)」は、テクノロジー(技術)やトラスト(信頼)と並んで、当社が大切にする価
値観の一つです。特に、多種多様の原材料を調達するに当って「チームワーク(和)」は重要です。当社ではグローバルに展開する12の生産拠点の調達担当者を構成員とするグローバル調達チームを組織して、「コーポレート調達ポリシー」にうたう考え方を共有しつつ、調達活動の最適化を目指し協力しています。本社での年次会議、各種定例会、地域単位の連携、原料カテゴリー別の課題に対する取り組みなどを進めています。

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調達組織

これからの調達の役割

私たち高砂香料グループのグローバル調達組織は、世界各地の生産拠点を効率的に運営するために、安心・安全・適正な価格を確保しつつ、良質な原材料をタイムリーに供給することを使命としています。この使命を達成するためには、原材料の調達に限らず、その他のサービスについても、公正で信頼できるビジネスパートナーシップを構築し、長期的に維持することが重要です。地球環境の尊重などの価値観を、購入品のサプライチェーンの上流にいる全てのステークホルダーを含むパートナーと共有、評価して、信頼される企業であるべきだと考えています。


昨今、資源の枯渇や地球温暖化などの環境問題から、労働災害や人権問題などの社会問題まで、私たちが抱える地球規模の課題は増加し、深刻化しています。私たちは、「責任ある調達」を推進し、透明性の高い取引によるパートナーとの強固な相互関係の下、持続可能な調達が行われるよう、レジリエントな原材料調達を追求していきます。

未来の明るい社会に向けて、全てのステークホルダーと「共存、共栄、共生」を目指し、「共感、共鳴、共働」を実現することで、新たな価値を創造するサプライチェーンモデルを構築していきます。