労働安全衛生(OHS)
高砂香料グループでは、環境マネジメントシステムであるISO14001の認証取得に加え、労働安全衛生マネジメントシステムであるISO45001の認証取得をグローバルで推進しています。2020年から2022年までの3年で、高砂香料グループの国内の全ての生産拠点と研究開発本部および海外生産拠点のうち11カ所がISO45001の認証を取得しました。
今後も海外生産拠点の認証取得を拡大し、グローバルで統一されたマネジメントシステムに
よる労働安全衛生への取り組みを推進していきます。
インシデントレポートルールとインシデント調査
高砂香料グループではEHS関連のインシデント(労働災害を含む)に関する報告ルールを策定しています。この報告ルールに従って、国内外の生産拠点で発生するインシデントが適時適切に他の生産拠点に共有されることになっています。
インシデントの原因を調査することは、同種または類似のインシデントを防ぐという点からも非常に重要と考えています。そのため、安全管理部は各生産拠点からインシデントに関する報告を受けた後、インシデントの概要、根本原因、是正対策を確認し、フィードバックするとともに、国内外で開催される各種会議において協議をしています。各サイトではこれらの報告およびフィードバック、さらには各種会議における協議結果に基づき、自サイトで同種または類似のインシデントが発生しないように対策を講じています。
危険源の特定、労働安全衛生リスクアセスメント
高砂香料グループでは、労働安全衛生リスクアセスメント(以下、「OHS RA」)ルールを所在国での法令上の不一致がない限り国内の生産拠点と研究開発本部および海外生産拠点に適用しています。各拠点では、このルールに基づき、職場における事故・労働災害の原因となる危険源を特定し、予見可能なリスクへの予防措置を行っています。安全管理部は、OHS RAをグローバルで強化するために、労働安全衛生規則の補足手順の構築に取り組んでいます。
コミュニケーションと現場確認
高砂香料グループでは、国内においては国内EHS会議を年に2回以上開催し、また、海外においてはグローバルEHS会議を年に4回以上開催し、EHSに関する情報の共有化を図っています。
また、安全管理部では、高砂香料グループの国内の生産拠点、研究開発本部および配送センターに対し定期的に安全監査を実施し、各拠点の安全衛生活動・事故労災等の確認を行っています。さらに、国内の生産拠点、研究開発本部および配送センターの安全管理を担当する責任者と本社役員および関係者が参加し、月次の安全協議会を開催し、EHS関連法改正や各拠点での安全監査で確認された課題等の情報共有や労働安全衛生対策についての話し合いを行っています。
また、毎年、海外の複数の生産拠点に対しEHS監査を実施しています。2019年、安全管理部は、米国、インド、シンガポールの現場でEHS監査を実施しました。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により現地訪問ができないメキシコの生産拠点に対してリモートEHS監査を実施しました。2022年度は3年ぶりに海外生産拠点を訪問してのEHS監査を実施しました。2020年にリモートで実施したメキシコの生産拠点を訪問し、直接確認できなかった箇所を現場で確認しました。さらに、米国にも訪問し2つの生産拠点と研究開発部門の監査も実施しました。
労働安全衛生に関する社員教育
安全衛生関連法令に関連する各種作業主任者など技能講習や特別教育、職長教育など外部機関で受講する教育、雇い入れ時教育や配置転換者教育など社内教育を実施しています。その他、トップマネジメント層、新入社員を対象とした階層別教育、内部監査員やリスクアセスメントを推進する人材の育成、レベルアップを目的とした集合教育を実施しています。
労働災害・疾病データ集計
T-ReCS®を使用して労働災害や疾病に関する情報を含むOHSデータの集計を実施しています。さらに、データをグローバルに集計するためのより効率的なシステムを今後構築する予定です。2022年には、国内で12件、海外生産拠点全体で16件の労働災害が発生しました。労働災害度数率は3.36、強度率は0.33です。労働災害の主な種類は、有害物質等との接触でした。なお、同期間中に重大な労災は発生していません。
コラム高砂USAフレーバー工場(テタボロ)無事故500日達成画像
2023年5月7日で高砂USAフレーバー工場(ニュージャージー州テタボロ)は休業災害ゼロ500日を達成したことから、後日アイスクリームのトラックを職場に呼び、従業員全員でお祝いを行いました。今後も更なる安全文化の醸成に取り組み、休業災害ゼロを継続し、従業員と同様の節目を積み重ね、ともに祝うことを楽しみにしています。 |