1978年に開設された株式会社高砂ケミカル掛川工場は、高砂香料グループの合成部門を担っている製造拠点としてと、医薬品の中間原料やプリンターなどに使用される有機電子材料(OPC)を主要製造品目としています。2003年にISO9001,2005年にISO14001の認証を取得し、独自の触媒技術で工程設計の段階から環境負荷低減に努め、使用済み有機溶媒の再利用による産業廃棄物の削減のほか、研究と生産の連携によるグリーンケミストリーも推進しています。
フローリアクターで連続生産へ
グリーンサステナブルケミストリーを指向する生産技術改革を推進する第一歩として、2013年末に新規技術としてパイプフローリアクター設備を導入しました。高砂香料のコア技術である均一性触媒の性能を最大限に引き出せる気液反応器です。既存のバッチ(オートクレーブ)に比べ、滞留する水素量が1/15以下になることで、潜在的危険度が著しく低下します。また、大型の攪拌機を必要とせず、小型ポンプによる送液撹拌を利用するため、電気量を1/10に削減できます。
フローリアクターの導入に際し、製造部、技術開発部、品証室、施設担当の参加者でリスクアセスメント(HAZOP)を複数回行い、安全性の向上を図りました。また、生産改革への取り組みとして、効率的な連続フロー生産方法の確立を目指しています。今後は、パイプフロ―リアクターの導入を糸口として、回分型連続反応、連続晶析、連続ろ過等、全自動連続生産へ向けて、プロセスイノベーションを推進していきます。
環境負荷低減
1.CO2排出量削減
掛川工場ではこれまで重油ボイラーを使用していましたが、ガスパイプラインが2015年1月より供給開始となり、これに合わせて天然ガスボイラー設備を導入致しました。重油ボイラーと比べて燃焼時に発生するCO2排出量を30%削減しました。また大気汚染の原因となるSOx(硫黄酸化物)やばいじんの発生量がほぼゼロとなりました。 今後は高効率化運転で、更なるエネルギー削減に努めていきます。
2.電気量および廃棄物削減
2016年度より電力削減アクションとして、排水処理場の第一曝気槽に高機能散気管を導入し、電力使用量で前年度比5%削減しました。更に2017年度は第二曝気槽にも高機能散気管を導入して、省エネはもちろん産業廃棄物である汚泥発生量の削減効果にも繋がっています。
今後も、さらなる地球環境の負荷低減を目指し、意欲的な活動を行っていきます。
社会貢献活動
地域社会との共生
工場周辺の清掃活動、海岸清掃ボランティア、海岸防災林の植樹会、不法投棄廃棄物の回収作業など地域社会に密着した社会貢献活動にも積極的に参加し取り組んでいます。
歴史、文化/教育
掛川市地震・津波対策寄付金
掛川市の市民、企業、団体の協働で地震・津波対策事業の早期の充実強化を図るもので、安心して暮らせる、働ける地域を目指すため、2014年より毎年協力しており、2018年は3月に掛川市へ100万円を寄付しました。