日本プロセス化学会2024サマーシンポジウムで招待講演とポスター発表を行いました
高砂香料工業は、2024年7月4日から二日間にわたり、長崎市で開催された日本プロセス化学会2024サマーシンポジウムにて、招待講演とポスター発表を行いました。なお本シンポジウムは、プロセス化学に関わる産官学の研究者が一堂に会して、知識や経験を共有しながら技術交流を深める場を担っております。
招待講演では、「環境調和型プロセスを実現するための触媒開発」と題して、データサイエンス的なアプローチによって見出された、高活性水酸基変換触媒である“Ir-OX触媒”を中心として、グリーンケミストリーの実現やSDGsへの貢献に向けて当社が取り組んできた、さまざまな新規触媒の開発事例について紹介しました。Ir-OX触媒の詳細については、当社による論文が公開されています。(Org. Process Res. Dev. 2020, 24, 2772-2779.)
ポスター発表では、「芳香族不斉水素化配位子:Ph-TRAPの実用的合成法の開発」と題して、これまでは大量合成が難しかった不斉配位子である“Ph-TRAP”の効率的製法や、この手法を応用した新規触媒開発について紹介しました。本技術は、医薬品中間体や香料単品の開発に有用ですが、十分に実用化が進んでいない「芳香族不斉水素化反応」の更なる発展に繋がることが期待されます。