高砂香料工業株式会社は、米国フロリダでの果実栽培に直接的な出資を行うことを決定し、グレープフルーツの継続的な植樹に関して、Peace River Citrus Products社及び、The Scotts Family Companies と長期的合意に至りました。

グレープフルーツ精油は、重要な香料原料の一つですが、グレープフルーツの主産地であるフロリダ州では、近年、ハリケーンによる被害や、柑橘グリーニング病等の影響を受け、減産傾向にあったことから、当社は、本プロジェクトを長期安定調達に向けた対策の一つに位置づけています。
Peace River Citrus Products社とThe Scotts Family Companies は、フロリダ州セントルーシー及び、インディアンリバー地区で合わせて約1,500エーカーの新たなグレープフルーツ農園に植樹して行く計画を発表しました。これは、柑橘グリーニング病により、フロリダで既存のグレープフルーツの作付けが減少傾向となってから以降、初めての大規模な植樹計画です。Peace River Citrus Products社との長年のパートナー関係にあるCoca-Cola North America社は、この取り組みに、自社ブランド用グレープフルーツ果汁の長期購買契約を結び参画しています。
一方、当社は、このPeace River Citrus Products社とThe Scotts Family Companiesの取り組みを支援するため、約1,000エーカーの農園に植えるグレープフルーツの苗木代を引き受けることを決定し、同時にグレープフルーツ精油の長期的調達に関する合意に至りました。

2020年に創業100周年を迎える当社は、「技術立脚の精神に則り社会に貢献する」との企業理念のもと、日本で最初の合成香料（アロマイングリディエンツ）を製造する会社として設立されました。当社グループの技術に根ざしたバリューチェーンには、世界27の国と地域に事業拠点を設けるグローバルなネットワークが活かされています。
Peace River Citrus Products社は、約30年前に William (Bill) Becker氏により創立され、 今日では米国フロリダにおける柑橘加工会社で中心的存在となっています。2つの搾汁工場を運営し、グレープフルーツの搾汁量ではトップシェアを誇っています。近年も、大型貯蔵タンクヤードなど新規設備への投資を積極的に進めています。
The Scotts Family Companiesは、フロリダでもグレープフルーツの栽培で著名な東部のインディアンリバー地区で三代にわたり農園及び、選果場を営んでいます。特に、グレープフルーツの栽培に情熱を持って取り組んでおり、国内外の青果市場及び搾汁会社へ出荷しています。

今回のプロジェクトは、フロリダ州において長期的にグレープフルーツに関するビジネスを支援し、その成長へ寄与したいとの合意に基づいています。当社はグレープフルーツ原産国における調達や製造を通して、持続可能な供給を確保すると同時に、産地の環境、生産者及び地域社会の支援を目指してまいります。

※本件はTaSuKIという高砂香料工業が行っている持続可能な調達に関するプログラムの一環です。
サプライチェーンを上流に遡り、原産国における調達や製造を通して、持続可能な供給を確保すると同時に、それぞれの産地の環境、生産者及び地域社会の支援を目指しています。
TaSuKIについては、「社会・環境報告書」や、高砂香料工業のホームページでも取り上げております。