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別府現代芸術フェスティバル2012 「混浴温泉世界」に協賛しました

別府現代芸術フェスティバルの発端は別府温泉の町おこしで、現代アートの紹介と普及活動、空き店舗のリノベーションなどを行って町の活性化をめざして、3年に1度開催されています。


廣瀬さんs-thumb-100x139-297.jpg本年のフェスティバルは、2012年10月6日~12月2日の約2ヶ月間開催され、8名のアーティストが参加し、8つのアートプロジェクトが実施されました。そのひとつに当社が支援している廣瀬智央氏(右)が参加しました。

廣瀬氏はミラノを拠点に活動する現代美術家で、作品には香りを使ったインスタレーションなどがあります。当社では文化活動の一貫として、廣瀬氏に10数年来の協力を行っています。過去には、資生堂 旧ザ・ギンザでのレモンの作品(2003)や、静岡県のヴァンジ彫刻庭園美術館のオレンジの作品(2006)などがあり、香料の提供をしました。

 

今回の作品は別府温泉発祥の地といわれる浜脇地区に建つ、築100年の古い長屋を改修して、その空間を作品化するプロジェクトで、廣瀬氏はふたつの作品を製作しました。当社は、作品「カボスの家」に使用するカボスの香りを提供しました。「カボスの家」は、長屋の天井に張った天幕にカボスを散りばめ、空間にカ ボスの香りを漂わせました。来訪者には生のカボスジュースを提供してリフレッシュしてもらいます(自分でカボスを絞ります)。作品を観るだけではなく、 嗅ぐ、飲む、触る、といった身体感覚に訴えかける要素が、作品の印象をより強くしていました。鑑賞者からは、「香りとともに記憶に焼きついた」との声をいただき、香りがいかに効果的で重要であるかを再認識しました。

カボスの家s.jpg

カボスの香りに惹かれて長屋に入ると、天幕の上にカボスの皮が見える

 

 

また、もうひとつの作品「天空の庭」では、暗い室内の床に青く輝くビー玉やガラス玉を置き、反転した空を創って光と闇を表現しました。

天空の庭s.jpg作品は二階から鑑賞する

 

浜脇地区は昭和33年頃まで色街として繁栄した場所でした。この地の文脈を読み解いた作品の体験は、別府温泉の記憶を共有するプロジェクトになったかもしれません。